風俗営業許可申請の基礎知識
風俗営業とは
『風俗営業』とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称:風適法)」2条により、次のように定義されています
接待飲食店営業 | 2条1号 | キャバレー等 |
2条2号 | 待合、料理店、カフェー等 |
2条3号 | ナイトクラブ等 |
2条4号 | ダンスホール等 |
2条5号 | 低照度飲食店等 |
2条6号 | 区画席飲食店 |
遊技場営業 | 2条7号 | まあじゃん屋、パチンコ店等 |
2条8号 | ゲームセンター等 |
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許可の必要性
風俗営業を営もうとする場合は、営業の種別ごとに、所轄都道府県公安委員会の許可を受けなければならない(第3条)とされています。
なお都道府県公安委員会とは、都道府県警察の管理機関とされる委員3〜5名からなる行政機関のことです。
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風俗営業許可の基準(概要)
「風俗営業」の許可の基準は、風適法4条に次のように定められています。
4条1項 | 人に関する基準 |
4条2項1号 | 構造や設備に関する基準 |
4条2項2号 | 場所に関する基準 |
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風俗営業許可の基準(詳細)
風俗営業許可の基準については、それぞれ次のように定められています。
【人に関する基準】(4条1項)
次の該当する方などは許可を受けることができないとされています。
- 成年被後見人または被補佐人
- 破産者で復権していない人
- 1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、または4条1項2号に定める罪に違反して刑に処せられ、執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから5年を経過しない人
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 風俗営業の許可を取り消され、取り消しの日から5年を経過しない人
【構造と設備に関する基準】(4条2項1号)
営業所の構造や設備が営業の種別に応じて国家公安委員会規則に定める技術上の基準に適合するよう定められています。
実際は風適法施行規則8条で、客席面積や店内の明るさなどにより細かく規定されています。
【場所に関する基準】(4条2項2号)
良好な風俗環境を保全するため、特にその設置を制限する必要があるものとして都道府県の条例で定める地域内にあるときはは許可をしてはならないと定められています。
原則として
「用途地域」と
「保護対象施設」の制限を受けます。
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構造・設備基準
風適法施行規則8条で定められている『構造及び設備の技術上の基準』は次の通りです。
【1号営業・3号営業】
- 客室の床面積は、一室の床面積を66平方メートル以上とし、ダンスをさせるための客室の部分の床面積をおおむねその5分の1以上とすること。
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
【2号営業】
- 客室の床面積は、和風の客室に係るものにあつては一室の床面積を9.5平方メートル以上とし、その他のものにあつては一室の床面積を16.5平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。
【4号営業】
- ダンスをさせるための営業所の部分(以下この項において「客室」という。)の床面積は、一室の床面積を66平方メートル以上とすること。
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
【5号営業】
- 客室の床面積は、一室の床面積を5平方メートル以上とすること。
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。
【6号営業】
- 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。
- 令第3条第3項第3号に規定する設備を設けないこと。
【7号営業】
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- ぱちんこ屋及び令第七条に規定する営業にあつては、当該営業の用に供する遊技機以外の遊技設備を設けないこと。
- ぱちんこ屋及び令第11条に規定する営業にあつては、営業所内の客の見やすい場所に賞品を提供する設備を設けること。
【8号営業】
- 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
- 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
- 第29条に定めるところにより計つた営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 第31条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
- 遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊技設備を設けないこと。
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提出書類
提出書類の一例です(埼玉県の例)
- 営業の方法を記載した書類
- 営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書)
- 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
- 住民票(外国人登録証明書)の写し
- 人的欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 登記事項証明書(東京法務局発行)
- 市区町村長の発行する身分証明書
- 法人の場合は、更に定款、登記簿謄本及び役員の前記CからFまでの書面
- 管理者を選任する場合は、選任する管理者の誓約書、前記CからFまでの書面
- パチンコ屋の場合は、更に検定通知書の写し、製造業者の保証書等
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無許可営業に対する罰則
罰則に関しては、風適法49条から57条に規定されています。
その中で無許可営業に対する罰則は最も重く2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金と定められています。