給与計算事務の基礎知識

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■給与計算事務とは
■給与体系の分類
■控除の分類
■給与計算の流れ
■社会保険料の計算
■労働保険料の計算
■所得税の源泉徴収
■住民税の特別徴収
■給与支払報告書と源泉徴収票の違い

給与計算事務とは

給与計算は、給与として支払う『総支給額』を計算し、そこか税金や社会保険料を控除して手取額を支払う定期的な事務のことです。
具体的には、次のようになります。
給与総支給額−控除額=差引支給額
従業員の方に支払うお金は、『給料』『給与』『賃金』『報酬』など様々な名称で呼ばれますが、いずれにしても、従業員の方の生活のもとになるものなので、計算ミスをせず正確に、しっかりと定められた日に支払うことが最も大切なことです。

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給与体系の分類

給与体系は、個々の会社によって違いはありますが、計算をする際には、毎月決まった額で支給される『固定的給与』と、労働時間や出勤状況によって支給額が変わる『非固定的給与』に分けられます。
具体的には、次のようなものがあげられます。
そして、『固定的給与』と『非固定的給与』を合計したものが『総支給額』となります。
固定的給与・基本給(本給、職能給など)
・役職手当
・資格手当
・家族手当
・住宅手当
非固定的給与・皆勤手当
・時間外労働手当
・休日手当
・深夜手当

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控除の分類

給与から控除をできるものは、大きく分類すると『法定控除』と『協定控除』に分類されます。
具体的には次のようなものがあげられます。
また、『協定控除』を行う場合は、労使協定を結ぶ必要があります。
法定控除社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険)
雇用保険料
税金(所得税、住民税)
協定控除共済会費
住宅使用料
財形貯蓄
食費負担分
組合費

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給与計算の流れ

給与関係の事務には、毎月発生するものと、年に数回必要になる仕事があります。
その中で、毎月発生する事務の流れとしては、大まかには次のとおりです。
  1. 人事情報の収集(入・退社、昇給・昇格など)
  2. タイムカード(出勤簿)を締める
  3. タイムカード(出勤簿)の回収
  4. 出勤日数、勤務時間、時間外労働等を集計
  5. 総支給額の計算
  6. 社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険料)の計算・控除
  7. 所得税、住民税、協定控除の計算・控除
  8. 差引支給額(手取額)の計算
  9. 給与明細書・賃金台帳の作成

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社会保険料の計算

社会保険料には、健康保険・介護保険・厚生年金保険の3つがあります。
この保険料は、会社が毎月支払う従業員の報酬をもとに決めた『標準報酬月額』に、保険料率を掛けて算出し、保険料は会社と従業員が半分ずつ折半して支払われます。
つまり、従業員の方の社会保険料は、会社が半分負担してくれているということです。
また、会社は厚生年金保険料の納付時に、児童手当拠出金も納めなければなりません。
実務上は、厚生労働省のホームページなどにある保険料額表をもとに算出します。

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労働保険料の計算

労働保険には、労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険があります。
労災保険は、事業所単位の加入で、全ての労働者に支払われた賃金総額がもとになり、保険料は会社が全額負担します。
したがって、労災保険料自体は、各従業員の給与計算とは直接は関係しません。
雇用保険は1人でも従業員がいると、強制加入となる保険です。
ただし、あくまでも雇用されている方のための保険なので、法人の代表取締役や個人事業主は非保険者にはなれません。
雇用保険の保険料は従業員と会社がそれぞれ負担します。
給与計算事務では、雇用保険料は毎月、給与計算を行い徴収する一方、納付に関しては、雇用保険料と労災保険料を合わせて、1年分の保険料を概算し前払いするシステムとなっています。
そのため、翌年には前払いで納付した保険料を精算する手続きが必要となり、これを年度更新といいます。
納付時期は、6月1日から7月10日までと決まっていますので、忘れずに申告・納付する必要があります。

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所得税の源泉徴収

所得税は、所得がある人に課される国税です。
所得税は、申告納付が原則ですが、給与所得、退職所得などは、源泉徴収制度の対象となっています。
源泉徴収税額の求め方は、総支給額から社会保険料、労働保険料を差し引き、その額を税務署が交付している源泉徴収税額表をあてはめて算出します。
源泉所得税額は、扶養親族の数によって変わります。
扶養親族は『給与所得の扶養控除等(異動)申告書』で申告することになっており、これを提出している場合は『源泉徴収税額表の』の甲欄、提出していない場合は乙欄の税額が適用されます。

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住民税の特別徴収

住民税は市町村民税と都道府県税を合わせたものです。
徴収は市区町村で一括して行っています。
また、会社が住民税を天引きして納付することを特別徴収といいます。
住民税は、前年の所得をベースに課税され、6月から翌年5月までの12回に分けて特別徴収されます。
毎月10日までに前月分を金融機関の窓口で納付するシステムになっています。
納付する住民税額は、従業員の住所がある市区町村へ提出した給与支払報告書をもとに決定されます。
決定額は、市区町村から送られてくる通知書に記載されていますので、所得税のように税額を計算する必要はありません。

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給与支払報告書と源泉徴収票の違い

『源泉徴収票』は受給者(全員)及び税務署(但し、提出範囲は限定)に提出するもの、『給与支払報告書(給報)』は市町村(全員分)に提出するものです。
内容はタイトル等を除けば、全く同じです。

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